修善寺は温泉街として名の知られている地域。
鎌倉幕府2代将軍の源頼家が幽閉された修禅寺があるのもこの地域です。

温泉街の中心を流れる桂川沿いには竹林の小径。
石畳の道の両側に空に向かって伸びる竹が立ち並び、まるで京都嵐山のよう。




竹林の間から見え隠れする空。
風が吹けばカサカサと擦れる葉の音。
意外と人通りも少ないため、静寂に包まれ、風情ある場所となっています。

ただ通り過ぎるだけでなく、目と耳を使って日常から切り離された贅沢な時間を堪能しました。



温泉街の中心にある修禅寺はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星に輝いています。
807年に空海が創建したと言われる非常に古いお寺。



山門をくぐって右手に手水舎。
龍の像から出るのは源泉かけ流し温泉。
温泉が出るのは全国でも珍しいそうで、さらに飲んでもOKだそう。



通常、冬の寒い日に柄杓を使って手を清めるときは冷たい水を指先を濡らすだけで、数秒で終わらせてしまいます。
しかし修禅寺では手のひらにしっかりとお湯を溜めて口を濯いだりし、たっぷり時間をかけてお清め出来ました。




本堂の屋根には立派な龍と獅子。
厳かな雰囲気で落ち着いき、ゆったりとした気持ちになれるお寺です。



修禅寺から徒歩5分程度の場所にあるのが指月殿。
この地域で23歳という若さで暗殺された頼家の母・北条政子が実子を思って建てたという伊豆最古の素朴な印象の木造建築で、長い歴史の重みを感じます。



お堂に置かれているのが鎌倉時代に作られたという釈迦如来坐像。
右手に蓮を持って座った姿。

私が訪れたときには静かな印象の落ち着く温泉街でした。
しかし、日本の歴史を揺るがす事件が遠い昔にあったことを頭に入れながら歴史に思いを馳せて散策するとまた違った感覚になります。


住所: 静岡県伊豆市修善寺